STUDIO UGOKI

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Multi Perspective Demo Reel
STUDIO UGOKIのキャラクター表現について

今月はSTUDIO UGOKIのキャラクター表現について
ご紹介させていただきます。名だたるアニメーションスタジオは
そのスタジオらしいキャラクター表現をそれぞれ持っていると思いますが
これからのUGOKIにとっても必要ではないかということで、
ちょっと背伸びをして表現の検討を始めました。

いろいろ試行錯誤を続けているのですが、今回お見せする
Multi Perspectiveという表現に今は可能性を感じています。
細かい説明はさておき、まずはムービーをご覧ください。






表現の方向性

CGアニメーションは1995年のToy Storyの発表から20年ほど経ち、
メインストリームだった北米を中心としたリアルで緻密な表現の
方向性が、落ち着いてきたように感じていました。
UGOKIはリアルで緻密な表現とは違い、シンプルだけど洗練されていて、
かっこよかったりかわいい表現を目指してみたいと思いました。
それにシンプルだから感情や物語、動きの面白さが伝わり易くなる
一面もあるのではないかと想像しています。

http://www.pixar.com/

とにかく単純化する

STUDIO UGOKIは2013年1月に「ロクの世界」を発表しました。





ロクの世界のキャラクターもそれなりにシンプルだと思いますが
もっと振り切ってみようということで、まずはキャラクターの情報を
単純化するところから始めました。

model

当然ですが質感や陰影を取り除くと単純な色面になりますし、
キャラクターの形がよく分からなくなってしまいます。
色面自体はシンプルで綺麗だと感じるので、
より色面を綺麗に見せるためにグラデーションを加えたり、
形が認識できるようにできるだけ情報量が少ない影を足していきました。

render

ロクの世界のキャラクター(ウェイン)を比較しても
印象の違いが分かります。

wayn

シンプルな表現とは

このようにUGOKIにとってのシンプルな表現とは
色面を綺麗に見せること、と考えています。
その過程でグラデーションや影を加えることにより
CGの正確なパースが崩れていきます。
そこでこの表現をMulti Perspective(マルチパース)と呼んでいます。

このMulti Perspectiveの考え方を今後の作品に生かして、
UGOKIのキャラクター表現が確立できるかご期待ください!


tomtom
2015.8.18