STUDIO UGOKI

EVENTS
『スーパーミルクチャン』の作者
田中秀幸さんに制作の裏側を聞いてきました!


『ROBBER'S COMPANY』を見ていただいた方の中から、
田中さんが監督された「『スーパーミルクチャン』を思い出した。」
という意見をいただくことがありました。
ミルクチャンが放送された当時、高尾は単純に受け手として
作品を見ていたため、どの様に作品が作られているのか?
といった視点では全く見ていませんでした。
その様な状況や疑問もあり、
もし田中さんにお話を聞ける機会があれば面白いだろうなと思い
今回ご本人にお話を伺ってきちゃいました!



supermilk01




高尾「本日はよろしくお願します。
まずは『スーパーミルクチャン』の企画が立ち上がった
流れを教えていただけますか?」

田中「最初はテレビの深夜番組のワンコーナーでアニメを作らないか
と言われて始めたんですね。5分もないくらいの尺だったんですけど。
まずはプロデューサーを見つけてきました。
深夜の1コーナーということでしたし
潤沢な予算があったわけでもないのですが、
最終的にはそのプロデューサーがかけたお金をなんとかする
ということで(笑)スタッフも集めてきてくれました。
『スーパーミルクチャン』が終了して、その後一緒に作っていたスタッフが
「これは面白いから」と いうことで色々なところに声をかけて、
wowowで30分のシリーズをやることになったんです。
それが続編の『OH!スーパーミルクチャン』になります。」

高尾「『スーパーミルクチャン』の絵柄ができたのは
ストーリーが先にあったんですか?」

田中「いえ、絵が先ですね。まず絵を僕が描いて。
簡単な漫画みたいなのも描いたりして、
そこから話を何人かで考えていったという感じです。」


supermilk02



高尾「なるほど。では『OH!スーパーミルクチャン』は
尺も30分に拡大していますし
スタッフや作り方も変わっていったのでしょうか?」

田中「そうですね。スタッフも全部変わったし
尺も長くなってちゃんとした脚本も作らないといけなくなり
しっかりした座組みでやることになりました。
テレビアニメのシリーズと同じ作り方をしていて、
現場にアニメーションを監督する方がいたので
僕はコンテだけ描いていました。
コンテには台詞をしっかり描き込んでいましたが、
ちゃんとした尺割りや動きとかは指示していませんでした。
細かい動きや表情などは現場の人たちが好き勝手に作っていましたね。」


supermilk03



高尾「『スーパーミルクチャン』で一番拘られた部分はどこですか?」

田中「元々は深夜の1コーナーということもあり、
何でも好きにやれるという状況でしたので 、今までに無かった様な
インパクトのあるアニメーションを 作りたいという拘りはありました。」

高尾「確かにインパクトがありました。
今、田中さんが手がけられているCMの仕事など含め、
田中さんのデザインされたものはインパクトがすごくあると感じます。
何か心がけていることなどあるのでしょうか?」

田中「そうですね…インパクトのあるものを作るようには心がけています(笑)
インパクトがあるのは何故かと聞かれると難しいですねぇ。
あえて場違いなところに場違いなものをもってくるとか。
そういうことがインパクトに繋がるのかな、とは思っていますけど。」

高尾「こちらのアンティークな椅子にゲーム機の台とかもそうですね。
事務所に入ってまず目に留まり、確かにインパクトがありました(笑)」


supermilk04



高尾「当初からフレイムグラフィックスの代表と
ディレクターという立場を両方やられていたとのことで、
何人か制作スタッフを抱えられていたのですか?」

田中「いえ、ミルクチャンに関しては僕1人です。
ただグッズとかも作っていたのでそういうものに関しては
アシスタントが協力してくれていましたが、
アニメ制作に関しては外部のアニメスタジオが作っていました。
代表といってもうちの事務所は僕と 何人かのアシスタントで回していて、
大きなプロジェクトになったら外部のプロダクションと
一緒に制作していくという形でやっているので
あまり組織の代表という意識はないですけどね。」

高尾「今後もスタッフを抱えられて人数を増やすことは…」

田中「そういうプロダクションを作るという意識では
やっていなくて、それよりも企画やデザインのスタジオ
というつもりでやってるので、制作プロダクションとして
大きくしていくという意図は最初からありませんね。」

高尾「アニメーションを制作するために
スタッフを抱えることは当たり前の様に思っていたのですが、
田中さんのその様な考えが聞けて新鮮です。
では田中さんが仕事を請ける際の基準などはあるのでしょうか?」


supermilk05



田中「基準は特にないです。
積極的に営業をしているわけではなくて、
反対に選ぶ側の人がうちでやったら面白いんじゃないか
という形で発注してきてくれるんです。
なので発注に対してやる、やらないを選ばずに済んでいます。
でもそういう仕事のやり方だと波があるので
沢山人を雇ったりすることは難しいんですよね。
"皆を食べさせていくための仕事"を取ってこないといけなくなり
それは別にやりたい仕事ではなく単純に
スタッフが食べていくための仕事になってしまうので。」

高尾「今後もそのスタイルでやっていかれるのでしょうか?」

田中「いままではそういうスタイルでやってきたんですけど、
これからは自分達で企画して発信するということも
やっていきたいなと思っています。
TVでアニメを作るとか、映画を作るとか既存のところって
新たに何かをやるというよりはお堅いものをやっていかないと
難しい世界になってきていると思うんですよ。なかなかそういう中で
新しいことをやっていこうという企画は起きないですよね。

またネットはネットで溢れていて、アニメを作って配信するということも
ギャンブルみたいになってきているし。 だからもう少し新しい形で
何かコンテンツを立ち上げることはできないかという話はよくしています。
まだ結論には至っていないんですけどね。」


supermilk06



高尾「最後に仕事とは別に作品制作などされていますか?」

田中「少しづつはしていますけどね。
何用とかではなくキャラクターなど
描き溜めたりしているものもあります。
仕事とプライベートな作品の境目があまりないんです。
例えばケンケンというRIZEとDragon Ashの
べーシストの人がいるんですけど
『スーパーミルクチャン』の大ファンだったらしいんですよ。
会って話したときに一緒に何かやりたいと言っていたから
ツイッターで【作:ケンケン 絵:田中秀幸】という形で1コマ漫画を
毎日1つ上げましょうというのを始めたんですよ。

スーパーケンケンチャン

でもこれは一銭にもならないし
これ自体はメジャーにはならないと思うんですけど、
ツイッターの中でフォロワーが増え始めると
誰かが目をつけて「うちで何かやりませんか?」
という話も来たりすると思うんですよ。
ミルクチャンも未だにずっとツイッターを続けているんですよね。
ちょっと絵を描いて載せているだけでも
みんな楽しんで見てくれているので。
このへんはお金を貰ってやっているわけではなく、
どちらかというとプライベートですよね。」

ミルクチャン

高尾「なるほど。常にやり続けていらっしゃるんですね。
こういうところからまた企画が立ち上がったりするんでしょうね。」

田中「そうですね。アニメはもう作ってないですけど
また話があるかもしれないし、やり続けることは大事だと思います。」






今回お話を伺い『ROBBER'S COMPANY』とは
全然違う作り方をされていたのがよく分かり、
仕事のスタイルを明確に持たれている田中さんはかっこいいと思いました。
ご本人は「『スーパーミルクチャン』は特殊だから。」
とおっしゃっていましたが、UGOKIも自分達のテイストを
築いていけるように精進したいと思います…!!



supermilk07



取材を快く引き受けてくださった田中さん
フレイムグラフィックスのみなさま
ありがとうございました!





event_logo

 2017.6.22